2020年2月28日金曜日

新型コロナウイルス世界に拡散

                      



安曇野の田園を犬たちと歩く。常念岳や北アルプスの白く輝く姿は例年とあまり変わらないが、里にはいっこうに雪は降らず、これからの春に芽吹く緑たちには、水分が不足しているように感じる。

そんな自然とは別に、別の恐ろしい自然界の目に見えない脅威が今、世界中に広がっている。中国の武漢発らしい、新型コロナウイルスの脅威である。

人類は今までに何度も、こうした流行病とも呼ばれる疫病にみまわれ、戦争による死者をも超える膨大な数の人々が命を落としていることは歴史に刻まれている。

古くは聖書の時代にも、イスラエル民族の自由な脱出解放を阻んだエジプトに、恐ろしい疫病がもたらされたと、出エジプト記にモーセによって記録されている。

さて、ネット情報によると、今回の新型コロナウイルスの拡散と脅威の中、ノーベル賞作家(アルベール・カミュ(1913~60)の傑作小説『ペスト』が、売れ始め、在庫が底をついて来ているとのニュースが目に入った。

一度学生時代に読んだかもしれないが、今回は電子書籍版を購入して、今夜から読み始めた。今が今だけに、緊張感を持って引き込まれている。

地中海に面した仏領アルジェリアの都市・オラン。おびただしい数の鼠の死骸が発見され、人々は熱病に冒され始める。ペストという「不条理な厄災」に見舞われた街で、人々はいかに生きてゆくのか──。

作中の牧師にとっては、神学的に全ては神が与えられし、ものだった。しかし、子どもの無残な死を目のあたりにして疑問を抱く。判事の子どもの苦しむシーンなど、それぞれが今まで信じて来たものを捨てなくてはいけない現実は切ない。

著者カミュの哲学的問い「人生に意味はあるのか」、この「不条理」について考えさせられる作品である。若い人たちにとっては訳文がやや硬いと感じるかもしれないが、味わい深い文体である。ぜひ一読をお薦めしたい。




2020年2月15日土曜日

物理学講義

                      

  
  犬たちとの散歩で見上げる常念岳や北アルプスの峰々の雪の量が、ここに来て例年並みになっているように見える。しかし、やや少ないかもしれない。

雪の量を何故心配するかというと、夏に泳ぐ清流の中房川の流れである。ロッキーと泳ぐにはやはり腰より深い流れがいい。  

さて、ここに紹介するのは物理学講義の本である。目次を以下に紹介しておきます。物理学に関心のある方には一読をお薦めしたい。

この本を読む前に、同じ著者の「がらりと変わって見える物理の本」を読んでおくといいかもしれない。こちらはごく簡単に短文でやさしく説明しているので読みやすい。このあとに「すごい物理学講義」に移るといいと思います。電子書籍でも読めます。

目次】はじめに——海辺を歩きながら第1部起源第1章粒——古代ギリシアの偉大な発見物はどこまでも分けられるのか?事物の本質——世界は原子からできている 

第2章古典——ニュートンとファラデーアイザックと小さな月——宇宙を支配する重力マイケル——場と光——電磁気力の発見第2部革命の始まり

第3章アルベルト——曲がる時空間拡張された現在もっとも美しい理論——一般相対性理論の魔法アインシュタインと数学の厄介な関係詩と科学の宇宙像 

第4章量子——複雑怪奇な現実の幕開けふたたびアルベルトニールス、ヴェルナー、ポール——量子力学の養父たち場と粒子は同じもの量子1情報は有限である量子2不確定性量子3現実とは関係である本当に、納得しましたか?第3部量子的な空間と相対的な時間

5章時空間は量子的であるマトヴェイ——最小の長さの発見ジョン——確率の雲ループの最初の歩み 

第6章空間の量子体積と面積のスペクトル空間の原子スピンの網——空間の量子の状態 

第7章時間は存在しない時間はわたしたちが考えているようには流れない脈拍と燭台——ガリレオの時間時空間の握り鮨スピンの泡——量子の時空間構造素粒子の標準模型世界は何からできているのか?第4部時間と空間を越えて

第8章ビッグバンの先にあるもの「先生」——アインシュタインとローマ教皇の過ち量子宇宙論 

第9章実験による裏づけとは?自然が語りかけていること量子重力理論につながる窓 

第10章ブラックホールの熱

第11章無限の終わり

第12章情報——熱、時間、関係の網第11章無限の終わり第12章情報——熱、時間、関係の網熱の時間現実と情報 第13章神秘——不確かだが最良の答え

                  

しげちぁん

慈(しげる)という名前を、女の子がつけてもらった。でもこの名前は男の子の名前の様で好きになれなかった。小学校に入学した日に、男の子の名前の子は、水色の紙に、女の子の名前の子はピンクの紙に名前が書いてあり、そこに座るようになっていた。 先生は「しげる」と水色の紙に書いていた。先生は...