2018年9月19日水曜日

加古里子著「たいふう」

ここに紹介するのは、まだ我が子たち五人が幼かった頃に出会った絵本「たいふう」である。
台風の夜に家族が布団を並べて両親の間に子どもたちを寝かせ、不安な夜を過ごす絵がいい。父親の枕元には懐中電灯や非常持ち出し用のナップサックも描かれている。
この前に紹介した「森のおくから」の絵本同様に、大自然の猛威を前に、家族が心を一つにして不安と闘う姿に私は心惹かれる。
現代の物質文明の中、すべてに満ち足りていても心がバラバラな家族や人間社会よりも、こうした人間を超えた大いなる力を前にした人間の姿に、これこそが、大自然を超えて、その背後に確かに存在する「わたしはいる」と言われる聖書の神が求めておられる姿を見る思いがする。


今もこの絵本は、だいぶ古くなり色褪せたりしているが、この絵本を開くたびに、私はこの家族が布団を並べて寝るページに、懐かしさを感じ感動するのです。

2018年9月10日月曜日

カナダの森の奥から

この夏に出会った絵本「森のおくから」は、大人も子どももぜひ手に取っていただきたい本である。今から100年ほど前に、カナダで本当に起こった、当時五歳だった少年の驚くべき体験を絵本にしたものである。
日本はここのところ大きな自然災害があいついで起こっている。こうした大きな災害の時、困るのは人間だけではない。人間以外の動植物も同じである。


大きな出来事を前にした時、人間も他の動物たちも、宇宙の中に地球を浮かべ、回しておられる、大きな存在者の前に、恐れを感じ、立ちすくむ。
わたしたちみんな、自分の力で生きているのではない、生かされているんだと気づく。森の奥からつぎつぎと森林火災を逃れ、大きな湖に逃れて来る人間、そして多くの動物たちは、湖の浅瀬で、肩をならべるようにして大火災をただ恐れ、火災をみつめる絵には「あー、命あるものすべて、この地球上で生かされている仲間たちなんだと、わたしは強く感じ、感動した。

しげちぁん

慈(しげる)という名前を、女の子がつけてもらった。でもこの名前は男の子の名前の様で好きになれなかった。小学校に入学した日に、男の子の名前の子は、水色の紙に、女の子の名前の子はピンクの紙に名前が書いてあり、そこに座るようになっていた。 先生は「しげる」と水色の紙に書いていた。先生は...