2019年10月22日火曜日

ユダヤ人を命がけで救った人々

                    

安曇野図書館の新刊本コーナーで目にして借りて来たのがこの本である。

1997年にサイマル出版会から刊行された『思いやる勇気―ユダヤ人をホロコーストから救った人びと』を復刊したもの。

ナチスから迫害されたユダヤ人を助けた人として、杉原千畝、オスカー・シンドラー、ラウル・ワレンバーグが有名であるが、本書に登場するのは基本的には、例えばフランスの農村の人だったりする。無名の多くの人々の証言が記録されている。助けたことを知られれば殺されるのに、ユダヤ人を助け、食べ物を分け与えたりしたヨーロッパの各国の勇気ある人々は、人間らしい心を、困難な状況下でも失うことなく、暗黒の中に一条の希望の光を放っている。

そんな中に、プロテスタント教会の牧師なども含まれていた。ユダヤ教徒をキリスト教に改宗させようなどの下心はなかった。聖書の社会観は「同胞が傷つき、苦しみ、虐待されているとき、黙って傍観していてはいけない」という原則に支配されている。しかし、祭司職の中には密告した者もいた。

しかし、驚くのはユダヤ人たちに救いの手を差し伸べた多くは、ごく“普通の人”だったこと。出来ることを注意深くしただけだった。目の前にいる人が窮地に立たされていることを知った時、手を差し伸べずにはいられなかったのだ。本書を読む限り、彼らの意識のなかでは、ユダヤ人を助けることは、我が兄弟たちを助けることだったのだ。

「そうしないではいられなかった」との言葉や「人として当たり前のことをしただけ」の言葉は、尊い誰かに背を押されて出た言葉であり、行為であったと感じるのはわたしだけだろうか。

本書 ホロコーストの意味のページでエリ・ウィーゼルが記している中から一文を載せておきたい。
【覚えてほしい。人命を救うのは難しい事ではないのだ。見捨てられた子どもに情けをかけるのに、雄々しくなる必要も夢中になる必要もなかった。ただドアを開けるだけ、パン一つ、シャツ一枚、硬貨一枚、投げてやるだけでよかった。同情するだけで】。

                   

一読をお薦めしたい。

2019年10月16日水曜日

PAUL apostle of Christ

                      

DVDを借りるのは久しぶりのことだが、映画「パウロ」をDVDで観た。何度も目頭が熱くなった。前から気になっていた映画だったが、やはり借りて来てよかった。聖書に親しんでいる者には、新約聖書に収められているパウロ書簡についての知識があると思う。

この映画の中でのパウロの言葉は、すべて彼の書簡に収められている真理のことばであり、その多くを筆記したのがギリシャ人キリスト者ルカである。ルカは医者であり、ローマのネロ皇帝下での迫害下で医師としても使命を果たす。この医者ルカを助手的に支えたのがアキラスとプリスカであり、その様子も描いている。


内容概要…【紀元67年、ローマの街を大火事が襲った。
皇帝ネロはキリスト教徒による放火とし、首謀者としてタルソのサウロ(別の名をパウロ)を逮捕した。
牢獄に入れられたパウロを医者ルカが訪ね、ルカはパウロの言葉を書き記していく。
ネロの迫害は激しさを増し、アキラとプリスカにかくまわれているキリスト教徒の中には、剣を取ってローマ軍に立ち向かおうとする者もいた。
そんな彼らに、パウロは暴力ではなく愛をもって戦えと訴える。
捕らえられ、殉教していった弟子たちに続き、パウロにも運命の時が迫る】
この映画では、パウロはネロ皇帝の元、ローマの街に火をつけた大火事の首謀者として捕らえられ、最後は斬首されたとの立場で描かれている。
ぜひ皆さんにも観ていただきたいと思う。

2019年10月2日水曜日

一枚のメモメッセージ

                   
やや暑かった一日の終わり、暮れて行く窓の外にまだきれいに咲いている花壇の色鮮やかな花々を見ていた。この春先に庭に来る蝶たちのことを思って植えた。

少し奥の方に目をやると、紫の小さな花をいっぱいつけたファーブも目に入った。昨年の11月頃だったろうか、庭の草刈りをしていて、このファーブをみんな刈ってしまった。その時小さな蜂が低く逃げていく姿に、ぼくは「しまった!」と思った。

庭には、その花しかなく、「逃げて行ったあの蜂は明日から他の場所で蜜を探さなくてはならないんだなー」と思った時、ぼくの心は後悔で悲しくなった。
それで、今年は何回かの草刈りでは、このハーブを決して刈らないで残しておいた、だいぶ増えて、良い香りを放っている。小さな蜂も時々姿を見せる。
このハーブは11月中旬頃まで小さな青紫の花をつけて、寒さにも強いようだ。そんなことを思っていた。

そして手元のスマホを手に取り、ヤフーの今日のニュース項目をザーっとスライドしながら見て行った。ふと目に留まったのが、ツイートに投稿した台湾の女性のものだった。以下に全文と写真を載せておきます。

大学生向け匿名掲示板「Dcard」に投稿された内容だ。ある女性がバスでアルバイトに向かっていた時だった。
家庭のことで落ち込んでいた女性は、音楽を聴きながら思わず泣いてしまったそうだ。他の乗客に変な目で見られていたのではないかと心配したが、バスを降りる際、見知らぬ男性からメモを渡されたという。

しかし泣き顔を見られないように急いで降りたため、相手の顔はよく見ず、軽く笑みを返しただけだった。
女性が仕事を始める前にメモを開いてみると、そこには励ましの言葉が書かれていた。
「私もよくバスで泣くことがあります。君が泣いているのを見て心が痛くなった。どんなことがあったとしても、きっと良くなるから! 傷ついてもいい。でも、その後は楽しく過ごそう。あなたに幸せが訪れますように」
これだけでも十分心温まるメッセージだが、女性はメモを裏返して、また泣きたくなってしまったという。それは心療内科の領収書で、男性の名前や年齢、処方された薬が記載されていた。処方されたのが睡眠薬や抗うつ剤だったことに感じ入った女性は、投稿の最後に「あなたもとても悲しんだことがあったのでしょう。傷ついてもいい。でもその後は楽しく過ごしましょう。ありがとう」と、メモをくれた見知らぬ男性へのメッセージを綴った。
心に傷を負う者同士の励まし合いに約29,000人のユーザーが感動。「ほっこりする」「いい人だ。頑張れ」「私もここからあなたの生活がどんどん良くなることを祈ってます」などのコメントが寄せられた。≫
このニュースにぼくも感動です。明日からの生活の力になります。そして寒さに向かうこれからの季節、小さな蜂さんたちも頑張ろう。ぼくも頑張る。                 

しげちぁん

慈(しげる)という名前を、女の子がつけてもらった。でもこの名前は男の子の名前の様で好きになれなかった。小学校に入学した日に、男の子の名前の子は、水色の紙に、女の子の名前の子はピンクの紙に名前が書いてあり、そこに座るようになっていた。 先生は「しげる」と水色の紙に書いていた。先生は...