2018年12月27日木曜日

「心は量子で語れるか」


今回紹介する本は「心は量子で語れるか」です。本書は、「今世紀における天才数学者の一人に数えられるロジャー・ベンローズが、彼自身の量子論や宇宙論の知識を駆使して、人間の「魂」の根源に迫ろうとした力作です」と、この書の最初のページに翻訳者が書いている。まあ、犬たちやわたしにはチンプンカンプンだが、ローズの目指すところには興味があるので分からないところや語句はパソコンの助けをかりている。

このベンローズの理論に反対するホーキングの意見も載せている。ローズにとってホーキングはブラックホールの謎に一緒に取り組んで来た研究仲間であったが、人間や犬など、さらに植物などの「意識」や「魂」にも数学者としてまた物理学者として目を向け、物質一辺倒のホーキングとは別の道へ踏み出したのだ。

彼は21世紀物理学の進むべき道をさぐる、勇気と実力をそなえた数学者・物理学者だと思う。しかし、彼の本はどれも難しい。そして「皇帝の新しい心」とか「心の影」とかの本は他の本と比べ値段が高すぎる。出版社は電子書籍にして価格を安くすべきだ。だから買わない。理解できない本を足元に置いたりしていたら転んで骨折でもしたら医療費もかさむ。ただでさえ糖尿病や痛風や歯のメンテナンスで出費してるからだ。

2018年11月22日木曜日

♬ しずかなよる ♬



明日の朝、ここ伊那高原にも初雪の予報がでた。すでに昨夜の雨は、山では雪となり、南アルプスの仙丈ケ岳や中央アルプスの駒ヶ岳はクッキリと雪景色になっている。いよいよ麓も雪の舞う初冬となったようだ。来月はクリスマスをむかえる。今日は近くの図書館で何冊かを借りて来たが、その中の一冊がここに紹介する絵本クリスマスのうた「しずかなよる」である。カソリックの女子パウロ会出版である

毎年、クリスマスの季節になると、街のあちこちに「きよしこの夜」のうたが流れます。世界中の人々に親しまれているこの讃美歌は、どのようにして生まれたのでしょうか?本書に掲げられた短いお話が、その由来を物語っています。およそ180年まえ、オーストリアのオーベンドルフ村で起こった出来事です。
この「きよしこの夜」の作詞、作曲者については諸説あるが、田舎の小さな教会のオルガンがクリスマスを前に故障した時に、牧師(あるいは神父)が、クリスマスにちなんだ詩を書いたという点では一致している。
クリスマスは神の独り子がこの世に誕生したことを感謝し祝う時です。機会があったらぜひ、みなさんにも読んでいただきたい一冊です。

2018年10月18日木曜日

Stephen Hawking博士の遺作「Brief Answers to the Big Questions」

AFP=時事ニュースは 2018年10月16日 11時53分にStephen Hawking博士の遺作について報じていたのでその要点を以下に記しておきたい。
 今年3月に76歳で死去した英国の宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士の遺作「Brief Answers to the Big Questions(大きな疑問への簡潔な回答)」の出版イベントが15日、英ロンドンの科学博物館で開かれた。

 ホーキング博士は、神の存在からタイムトラベルの可能性まで、多彩な問題への答えを記した著書の執筆に取り組んでいたが、完成を見ずに死去。博士の子どもたちや学者仲間たちが博士個人の膨大な記録資料を参照して同書を完成させた。

■10の大きな疑問
➀- 神は存在するのか ②- すべてはどのように始まったのか ③- ブラックホールの中はどうなっているのか ④- 未来を知ることは可能か ⑤- タイムトラベルはできるようになるか ⑥-  人類は地球で生き残れるか ⑦- 宇宙に人類以外の知的生命体は存在しているのか ⑧- 人類には宇宙コロニー(居住地)が必要か ⑨- 人工知能(AI)が人類を超える日が来るのか ⑩- 人類はどのような未来を築けばよいのか

 ホーキング博士はこうした問いへの答えとして、遺作の中で次のように語っている。


■ホーキング博士の答え
- 人類は「絶滅」を回避するために、いずれ地球を去らざるを得なくなる。

- コンピューターは100年以内に人類の知能を超えるだろう。われわれはコンピューターの目的を人類の目的と確実に一致させておかねばならない。

- 人類は精神と肉体の質を高めなければならなかったが、遺伝子組み換えによって膨大な記憶力と病気への抵抗力を身に付けた超人間たちが、他者を危険にさらすことになるだろう。
- 気候変動の現実を人間が認識したとき、既に手遅れになっているだろう。

- 神は存在しないし、死後の世界が存在することを示す信頼すべき証拠はない。だが、人々はそれらの影響や遺伝子を通じて生き続けていけるだろう。

- 今後50年以内に、人類はどのように生命が誕生したのか理解することができる。宇宙のどこかで生命の存在を発見できるかもしれない。

以上が今回の記事の要点だが、牧師の私は、彼が-神は存在しないし、死後の世界が存在することを示す信頼すべき証拠はない-と語ったことに、コメントしておきたい。彼は筋萎縮症の障害を持ち晩年は介護者なしでは生きられない身となり車椅子生活となったが、自分のこの障害を神が与えた災難と考える事を拒否していた。全ては自然の法則の結果が、今の自分にもあるとの考えを崩さなかったと私は聞いている。彼は科学者であり、こうした考えは当然かもしれない。しかし、人類に与えられた神の啓示の書「聖書」は、神が存在することの証拠であり、現在の宇宙も含むすべての自然も、そこに働く法則も神の存在を示す証拠ではないだろうか。

2018年10月5日金曜日

愛犬家 アラン・ドロン

NHKBSでアラン・ドロンへのロングインタビュー番組を観た。ぼくは俳優アランドロンには全く興味はなかったが、このインタビューは昨年2017年の秋ごろの取材と思われ、あの若き日のドロンから、八十歳代になった高齢者ドロンになっていた。しかし、年老いてこその風格が感じられた。
一番にぼくが引き込まれたのは、何と彼は愛犬家であったことだ。ぼくは初めて知った。今までに共に暮らし、この世を去って行った犬35匹の犬たちの墓が、彼の瞑想(聖書の神との対話)のために彼が建てたチャペルの前にあった。彼はぼくと同じクリスチャンなのだと知った。
そして、その犬たちの墓の並びに自分の墓もすでに作っていた。
いやー、アラン・ドロンていい人なんだなーと、ぼくは感動した。なぜ彼がこれほどまでに犬を愛したのか?
人は、彼の名声や富に引かれて寄って来た。しかし犬たちは違った。かれが嫌ったのは偽善だった。彼は孤独の人だったかもしれない。そして良き真の友を得たのだ。犬は絶対に裏切らないと彼は語っていた。
最近知ったドイツ文学者、作家の中野幸次さんも、自分の墓の墓誌に、ぼくの愛した者たち(犬たち)もここに眠ると記した作家である。


2018年9月19日水曜日

加古里子著「たいふう」

ここに紹介するのは、まだ我が子たち五人が幼かった頃に出会った絵本「たいふう」である。
台風の夜に家族が布団を並べて両親の間に子どもたちを寝かせ、不安な夜を過ごす絵がいい。父親の枕元には懐中電灯や非常持ち出し用のナップサックも描かれている。
この前に紹介した「森のおくから」の絵本同様に、大自然の猛威を前に、家族が心を一つにして不安と闘う姿に私は心惹かれる。
現代の物質文明の中、すべてに満ち足りていても心がバラバラな家族や人間社会よりも、こうした人間を超えた大いなる力を前にした人間の姿に、これこそが、大自然を超えて、その背後に確かに存在する「わたしはいる」と言われる聖書の神が求めておられる姿を見る思いがする。


今もこの絵本は、だいぶ古くなり色褪せたりしているが、この絵本を開くたびに、私はこの家族が布団を並べて寝るページに、懐かしさを感じ感動するのです。

2018年9月10日月曜日

カナダの森の奥から

この夏に出会った絵本「森のおくから」は、大人も子どももぜひ手に取っていただきたい本である。今から100年ほど前に、カナダで本当に起こった、当時五歳だった少年の驚くべき体験を絵本にしたものである。
日本はここのところ大きな自然災害があいついで起こっている。こうした大きな災害の時、困るのは人間だけではない。人間以外の動植物も同じである。


大きな出来事を前にした時、人間も他の動物たちも、宇宙の中に地球を浮かべ、回しておられる、大きな存在者の前に、恐れを感じ、立ちすくむ。
わたしたちみんな、自分の力で生きているのではない、生かされているんだと気づく。森の奥からつぎつぎと森林火災を逃れ、大きな湖に逃れて来る人間、そして多くの動物たちは、湖の浅瀬で、肩をならべるようにして大火災をただ恐れ、火災をみつめる絵には「あー、命あるものすべて、この地球上で生かされている仲間たちなんだと、わたしは強く感じ、感動した。

2018年7月31日火曜日

泳ぎと読書 少年の日と同じ夏

安曇野図書館て゛目にとまった一冊が「金子みすゞ ふたたび」の本。洗練された文体で読みやすい。評伝の本は史実に忠実に記そうとするためか、固い歴史書のような本が多い中、さすがNHKドキュメンタリーを手掛けた著者だけに、引き込まれる内容となっている。以下はアマソンの書評そのままを、ここに記しておきます。金子みすゞファンにはおすすめの一冊です。彼女の詩の持つやさしさに僕はいつも感動する。電子書籍版でも発刊されています。




天才詩人の心の葛藤を読み解く画期的評伝の一冊。

《みんなちがつて、みんないい》のフレーズで知られる「私と小鳥と鈴と」、東日本大震災で傷ついた日本人の心を癒した「こだまでせうか」……。512篇の詩を遺し、26歳で自らの命を絶った金子みすゞ。今もなお愛され続ける数々の詩の裏には、壮絶な心の葛藤があった。
かつて、ドキュメンタリー番組「こころの王国~童謡詩人・金子みすゞの世界」を手掛けた演出家が、当時謎として残された史実や、調査しきれなかった事実などを、もう一度徹底的に探り、父親の死に関する新事実などを発見。そして当時の習慣や複雑な家族構成など、童謡に詠われた背景を中心に調査することによって金子みすゞという夭折の天才詩人を読み解いていった画期的なノンフィクション。
天衣無縫に見える金子みすゞの童謡が、なぜに悲しみに包まれていて、人の心を打つのか。3冊の手帳に残された512編の童謡を、テーマ別に分けることによって、金子みすゞが表現したかったもの、それは西方浄土への憧れなのだが、見事に浮き彫りにしている。

2018年7月1日日曜日

2018年の夏も水泳と読書

安曇野市豊科の図書館へ出かけた。新刊のコーナーで、「アウシュビッツの歯科医」という本が目にとまった。開くと八ページの白黒写真が何枚もある。実話である。400ページの分厚い本である。


一気に引き込まれて読んでいる。まだ半分しか読み終えていないが、みなさんにおすすめしたい本である。21歳でナチスに強制労働に狩りだされた青年の実録である。暑い夏になりそうである。水泳と読書で充実した夏にしたい。



2018年6月4日月曜日

最近の読書

1奇跡の脳    2レイナが島にやってきた 3石狩峠 4道ありき 5仏教関連の本五冊
6三浦綾子創作秘話 7金子みすゞ名詩集 8DNAかく語りき 9八木重吉詩集などである。


paper本から、わたしはkindle版の電子書籍に移行しているので、文字を大きくして楽に読書できるようになった。ただ図書館から借りて来る本はpaperなので、視力はいいのだが、最近はやや読みにくく感じる。


レイナが島にやって来たは、絵もいいし夏を感じて図書館の新刊本コーナーで借りて来た。一気に読んでしまった。内容もとてもよかった。小学生にも中学生にもおすすめです。


三浦綾子さんの本は何回読んでもいい。塩狩峠は初めて読んだが感動した。氷点よりもこちらの作品の方がいいと感じた。

2018年5月3日木曜日

脳神経科学者の体験

ユーチューブで、アメリカの脳神経科学者の講演を観た。Jill Bohe talorという女性である。「奇跡の脳」脳卒中を語るで、見ることが出来る。


37歳の時、脳卒中になり、その時の右脳と左脳の働きを情熱的にリアルに語る話には迫力がある。


もっと詳しく知りたいと、今日、この書籍を注文した。電子書籍ならすぐ読めるのだが、紙本なので届くの二、三日かかる。

2018年4月17日火曜日

イルカと遊ぶ日を夢見て

2018年4月17日nhkbsでミャンマー大河で漁師とイルカとの共同漁を観た。
NHK BS-ハイビジョン特集 イルカと生きる ~ミャンマー・大河に息づく伝統漁~ ミャンマーのイラワジ川には、乾季になると海からカワゴンドウというイルカがやってくる。 地元の漁師が舟に乗り、遡上して来たイルカの群れに「一緒に漁をしよう」と呼びかけると、 イルカのリーダーがそれに応え、群れで魚群を舟の近くへと追い込む。それを漁師が投網で掬う。 網から漏れた魚を効率よく捕食できるから、イルカにとっても漁を手伝うメリットがあるらしい。 人間の方も、イルカとの共同漁の漁獲高は通常の三倍という。
しかし近年違法な電気漁などが行われ、長年漁師と共同漁を続けて来た家族のようなイルカが死体となって岸に得ちあげられた様に涙する漁師…。




わたしは聖書の示す天国を信じている。今の世ではイルカちゃんたちと遊ぶ機会が持てないと思うが、失望してはいない。なぜなら、やがてわたしは天国で、イルカたちと清い水の中を泳ぎ遊ぶ日のことを信じている。その時のことを思うと心がワクワクする。


この地球もまた人間だけの惑星ではない。漁師たちに尾やヒレで「用意して」などの幾つかのタイミングを合図する様には驚きそして感動する。(注…写真のイルカは番組からのものではありません)。

2018年4月16日月曜日

「死にゆく者との対話

Eテレで、顔の眉間に皺をよせ、苦悶の表情を浮かべ体も前屈みにしているおばあさんのベットの横に鈴木秀子さんが座り、手をそのおばあさんに触れ静かに呼吸を合わせ、そのおばあさんの心の苦悩に寄り添い、家族から、このおばあさんの苦悶の原因は何かを聞き出していた。


そのおばあさんの心の苦しみは、孫を背負っている時に転倒して、孫にまで怪我をさせてしまったことが悔やまれ、孫に許しを請うているのだった。


そこで鈴木さんは、呼吸を合わせながら、その孫は全快し、おばあさんのことを許し、おばあさんのことを心から愛していると伝える。


するとどうだろう!少しすると顔の苦悶の表情は消え、美しい穏やかな表情となった。それをテレビ映像は見事に伝えていた。


これを、死を間近にした人々と家族との「仲良しの時間」と鈴木さんは語っていた。さっそくわたしは鈴木秀子さんの著書「死にゆく者との対話」そして、「死にゆく人々の言葉」の二冊を購入し読んだ。


誰もが必ず死ぬ。これを記すわたしも、よむあなたもだ。手遅れにならないうちに、一人でも多くの人にこの本を読むようわたしはすすめたい。病院で医者に主導権をに
ぎられて、牢獄の様に隔離され孤独の中で死ぬ時代は終わりにしたい。死にゆく時には、家族に囲まれて、大切な言葉を交わし、輝く光の中へ旅立ちたい。そして見送られたい。























2018年2月12日月曜日

nhkスペシャル臨死体験まとめ


臨死体験 死ぬとき心はどうなるのか|NHKスペシャル  2014/09/14




上記の番組を観てから四目の2018年2月4日に、安曇野市穂高で「かみさまとのやくそく」という熊猫堂作品映画を観るき機会得た。幼児や小学生などの生前記憶や胎内記憶に関するものだった。
そして、わたしは思い出した。立花隆が海外にも足をのばして、臨死体験者や研究者にインタビューし、検証した番組だった。
ユーチューブなどを調べると、いくつかが観られたが、上記番組は今のところユーチューブにはなかった。さらにネット上を調べると、以下のまとめ記事(
テレビのまとめ)があったので、それをここに再録させていただきました。(テレビのまとめ)の方に感謝いたします。なお色付け文字はわたしが行ったものです。


またEND後の記事は、上記の番組より3年ほどさかのぼって、同じテーマで放映された2011年3月7日に、nhk番組「立花隆リポート 臨死体験~人は死ぬ時何を見るか~」がユーチューブに再録されていたので、その要点を追記しました。



 


 NHK総合テレビの「NHKスペシャル」で臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのかが放送されました。


哲学、宗教から脳科学まで様々な分野を自ら取材してきた作家・立花隆(たちばなたかし)さんが挑んでいる謎は人の心です。それは魂や意識とも呼ばれてきたものです。私たちの心はどのようにして生まれるのか?死んだらどうなるのか?これまで科学者たちは、心のメカニズムについて脳波から遺伝子にいたるまで様々な手法を駆使して探ってきました。しかし、膨大な研究をもってしても脳と心の詳しい関係について解明できませんでした。

 

立花隆さんがこの謎を解く大きな鍵だと考えているのが臨死体験です。心停止などで脳が活動しなくなったと思われる人たちが見るという不思議な現象です。心が体を抜け出し、光輝く美しい世界に行き着くという体験。心は死んでも存在し続ける特別なものだと体験した人の多くが考えています。しかし今、この不思議な現象を脳の働きで解き明かそうという研究が急速に進んでいます。

 

臨死体験 深まる謎を追う

 

今、心停止から蘇生した人の5人に1人は、臨死体験をしているとも言われています。臨死体験は、心停止や深刻な昏睡状態で脳が全く働いていないと思われる時にする体験です。臨死体験者の証言によれば、その内容には似通った特徴があります。

 

まず、自らの心が体を抜け出すのを感じると言います。体外離脱と呼ばれる現象で、天井付近からその場に横たわる自分の体や医師たちの姿を見たりします。その後、トンネルのような場所を通って光輝く美しい世界へと導かれます。これは神秘体験です。親しい家族や友人に会い「人生を全うせよ」と言われます。ここで全知全能の大いなる存在に出会い幸福な気持ちに満たされます。

 

臨死体験の謎

 

今、全米で最も注目を集めている臨死体験者がエベン・アレキサンダー博士です。彼は著名な脳神経外科の医師です。6年前に臨死体験をしてからは自らの体験を伝えようと講演して回るようになりました。

 

 エベン・アレキサンダー博士が臨死体験をしたのは脳を細菌におかされ昏睡状態に陥った時のことです。それまでは脳が機能しなくなれば心も消えると考えてきました。しかし、その考えは病気から回復し自分の医療データを洗いなおした時、大きく揺らぎました。

 

 昏睡に陥って3日目、アレキサンダー博士の脳は炎症による膿で血管が圧迫され血液が流れなくなっていました。さらに、生命の維持に欠かせない脳幹まで損傷し脳波は観測されなくなりました。脳の活動は止まり、生還できる可能性は2%と診断されました。そんな状態だった7日の間に臨死体験をしたと言います。

 

無数の蝶が飛び交う景色を見た後、荘厳な門がそびえ立つ世界を訪れ、最後に神聖な存在がいる場所に導かれました。脳が働いていない時にこの体験をしたのだから、脳と心は別の存在だと主張しています。

 

ジャクソン・バワーズくん(4歳)は生まれてすぐに臨死体験をしたと言います。生後1ヶ月の時にインフルエンザをこじらせ肺に穴があき、呼吸が出来なくなりました。4ヵ月後、ジャクソンくんは奇跡的に回復。2歳になった頃、ジャクソンくんは病院での体験を話し始めたと言います。彼の心は体を抜け出し医師や母親の姿を見ていたそうです。

 

臨死体験を科学は解き明かせるのか?

 

ミシガン大学の神経科学ジモ・ボルジギン准教授は、死ぬとき脳はどうなるのかについて動物を使って研究しています。ここでは、普通の方法では観測できない微妙な脳活動を特別な手法で測定しています。

 

 ネズミの脳に直接電極を入れて実験しました。ネズミに薬物を投与し心停止を起こさせ、この時の脳の奥深い部分の脳波を詳細に調べました。すると、これまで分からなかった微細な脳波が見つかったのです。

 

これまで医学的には心停止を起こすと数秒で脳への血流が止まり、脳活動は止まるとされてきました。ところが、心停止後も微細な脳波が見られたのです。それは数十秒間続いていました。脳波が非常に小さかったため、これまで脳は活動していないと考えられていたのです。臨死体験をしている人の脳も一見活動していないように見えて、実は活動しているのかもしれません。

 

立花隆さんが詳しく調べ始めたのは体外離脱現象。体から心が離れていくという現象です。すると、これを脳内の現象として説明した論文が見つかりました。国際的な脳研究の専門誌に発表された「体外離脱と自己像幻視の神経学的起源について」です。

 

論文によると人工的に体外離脱の感覚を作り出せると言います。研究は、てんかんの治療のため脳に電極が埋め込まれた患者に対して行われました。患者の脳を電気で刺激すると体外離脱の感覚を得たというのです。刺激を続けると次第に体が浮遊し、自分を上から見ている感覚を抱いたと言います。刺激したのは脳の角回と呼ばれる部分です。角回は体の感覚や視覚、聴覚など様々な感覚を司る部分を繋いでいます。ここを刺激することで脳の各部分が誤った働きを起こし、自分の心と体が分離したかのような感覚が生じたと指摘しています。

 

立花隆さんはスウェーデンのカロリンスカ研究所で、体の感覚に異常を起こさせる実験に参加しました。まず、目隠しをして実験室に入り映像が映るゴーグルをつけます。カメラが映しているのは人形の足。立花さんには人形の足がまるで自分の足のように見えるのです。立花さんの足を棒で刺激しながら、同じタイミングで人形の足を刺激する映像を映します。触られている感覚と見ている映像が混じりあい、人形を自分の体だと感じ始めます。立花さんは心が自分の肉体を離れ人形の体に移ったという感覚を抱くようになったと言います。

 

 理研MIT神経回路遺伝子センターの利根川進さんはノーベル賞受賞後、記憶の仕組みについて研究してきました。現実には起きていない偽の記憶(フォールスメモリー)をネズミにうえつけることが出来たと言います。

 

実験ではまず、脳のある部分を刺激すると記憶を思い出す特殊なネズミを作りました。このネズミを安全な部屋に入れ部屋の様子を覚えさせました。次にネズミを別の部屋に入れ、脳を刺激し前に見た安全な部屋のことを思い出させます。その時、同時に電気ショックを与えると電気ショックを安全な部屋で受けたというフォールスメモリーが出来てしまい、ネズミは安全な部屋を怖がるようになったのです。人間でもある状況下ではフォールスメモリーが起こると言います。

 

人にフォールスメモリーを作り出す実験もあります。まず、被験者の子供の頃の家族写真を切り抜き全く行ったことのない別の写真に合成。気球旅行に行ったという偽の家族写真を作りました。その偽の写真を本物の写真に混ぜ、いつ行ったのか?どんな旅行だったのか?を繰り返し聞いていくと、最初は偽の写真について「記憶はない」と答えますが、質問を繰り返すうちに答えは変わっていきます。質問を繰り返すうちにフォールスメモリーが作られてしまったのです。

 

人間はフォールスメモリーを作りやすい動物だと利根川さんは考えています。それは脳が高度に発達し、想像力を持っているからです。人間は誤った記憶や感覚を本物だと信じてしまう生き物なのです。臨死体験者の不思議な記憶は、想像力を働かせるうちに作り上げられたフォールスメモリーなのかもしれません。

 

心はどのように生まれるのか

 

今、心の正体に迫る新しい研究分野が急速に注目を集めています。それは心の一部である意識の研究です。心の一部である意識は、これまで科学において究極の謎と言われてきました。感覚、感情、行動、記憶など脳内には様々な機能があります。しかし、人の心はこれらの機能だけでは成り立ちません。機能全てを1つの統合するものが必要なのです。それが意識です。意識は、その人らしさを作り出す自我です。なぜ意識は究極の謎なのか?それは長年の研究にも関わらず意識を生み出す神経細胞が脳内のどこに存在するのか全く分からなかったからです。

 

 ところが、今この謎について科学者たちはその糸口をつかみ始めています。ウィスコンシン大学のジュリオ・トノーニ教授は意識研究に革命を起こしたとも言われる科学者です。トノーニ教授が提示したのは意識が脳内で生まれる全く新しいメカニズムです。それが他の研究者によっても実証されつつあるというのです。

 

 人間の意識は複雑に絡み合った蜘蛛の巣のようなものだというのがトノーニ教授の理論です。きっかけは睡眠に関する研究でした。

 

 深い睡眠をしている時と起きている時、神経細胞の繋がり方はどう違うのかトノーニ教授は着目。そこで脳内に微弱な電気を送り込み、その流れを追いました。神経細胞がつながっていればいるほど広い範囲に電気が流れることを利用したのです。すると、神経細胞は起きている時だけ蜘蛛の巣のような複雑な繋がりをしていることが分かりました。トノーニ教授はこの複雑な繋がりこそが意識だと考えました。統合情報理論と呼ばれています。

 

脳の中には熱い・寒いなどの感覚に関する情報や、楽しい・悲しいなどの感情、過去の出来事の記憶など膨大な情報があります。トノーニ教授はこれらの情報が複雑に繋がり蜘蛛の巣のように一つにまとまったものが意識だと考えました。つまり意識は脳内の特定の細胞にあるのではなく、膨大な神経細胞が複雑な繋がり方をして一つに統合された時に生まれるというのです。

 

さらに、トノーニ教授は意識の大きさを世界で初めて数式で.表しました。極めて複雑な数式ですが、脳内の神経細胞の数が多く、繋がりが複雑であればあるほど意識の量が大きくなることを表しています。この理論が完全に実証されれば、脳が死ぬと神経細胞の繋がりはなくなり心は消えることになります。さらに、この理論は新しい世界観を示しています。

 

鳥や動物、昆虫でも脳内には複雑な繋がりがあるので脳の大きさに応じた意識があることになります。そして機械でも複雑な情報の繋がりを持つよう設計すれば意識が生まれることになります。

 

臨死体験 人はなぜ神秘を感じるのか

 

ケンタッキー大学医学部脳神経外科のケビン・ネルソン教授によると、臨死体験で神秘体験をするのは脳の辺縁系によるものだそうです。神秘的な感覚は辺縁系で起こる現象なのです。辺縁系は長年の研究によって睡眠や夢という現象の中心的な役割を担っていることが分かっていました。

 

ネルソン教授は、神秘体験と夢が似通った現象であることを明らかにし、次のような仮説を立てました。死の間際、辺縁系は不思議な働きをします。眠りのスイッチを入れると共に覚醒を促すスイッチも入れるのです。それによって極めて浅い眠りの状態となり、目覚めながら夢を見るいわば白昼夢のような状態になります。さらに、辺縁系は神経物質を大量に放出し、人を幸福な気持ちで満たします。こうして人は死の間際に幸福感に満たされ、それを現実だと信じるような強烈な体験をするのです。

 

ネルソン教授は、神秘体験は人が長い進化の過程で獲得した本能に近い現象ではないかと考えています。そして、臨死体験をしやすい人は夢を見やすい脳を持っていることも分かっています。その鍵となる辺縁系は脳の古い部分で、進化の初期段階で生まれたものです。そのため、神秘体験をする能力は人間にもともと備わっていたものなのです。END

2011年3月7日NHK番組「立花隆リポート~人は死ぬ時何を見るのか~






上記番組のごく一部の要点のみを追記しておきます。


 
この番組では、日本国内の何人もの人々の臨死体験者に会いリポートしています。さらに海外の人々の例も紹介している。
 
その証言内容は2014年のリポート内容とほぼ同じだが、カナダの脳神経医学博士ワイルダー・ペンフィールト゛(19401950年代に)が癲癇の原因を調べるため、女性患者の側頭葉のシルビウス裂に電気刺激を与えると驚きの反応があった。局部麻酔で女性は話が出来る状態にあり、音楽を聞き、光まばゆい神に出会い、体外離脱も経験しているのだ。
 ならば、臨死体験はすべて、この人間の側頭葉の働きだけで説明できるのか。
 
 一つ説明がつかない問題が残る。それは臨死体験中に体外離脱した自分が、上方から見ているのでなければ知ることのできない事象を正確に見ている体験である。耳からの情報や過去の記憶やイマジネーションから、こうした具体的事象を正確に言い当てるとは思えない。
 
ならば脳とは別の「生体的エネルギー、もしくは魂によるものなのか」。
 
研究する医師たちは、側頭葉とつながる何かの存在を考えないと、側頭葉だけの働きとして結論づけられないと語る。
 
 ワイルダー・ペンフィールト゛博士も自分の死の二年前に、側頭葉の働きだけで、臨死体験を説明できないと認めている。
 
 この番組で語った、アメリカ西海岸シアトル市にあるバーレー・メデイカル・センターのメルビン・モース小児科医師は生まれながらにプログラムされた、死に備えた側頭葉(シルビウス裂)を人は持っている」と語っている。小児たちは大人とは違い先入観のない中で臨死体験を語っている。しかし、死の直前にのみ働き、そして側頭葉はその務めを果たして、他の肉体と共に死滅して行くこのプログラムが進化の過程でいつどのように備えられたのか。謎は深まるばかりである。
 
 これからの研究で、どこまで、これから科学的に解明できるかどうか、非常に関心のある問題である。




END










2018年2月1日木曜日

スーパー・ブルー・ブラッドムーン

昨夜七時過ぎ、伊那高原自宅の庭に出ると、北東の空に、手の届きうな感じで、とても明るい満月が煌々と輝いていた。さらに、寝る前の十時頃もう一度寒気の庭に出ると今度は東上空にかなり遠くに感じる赤レンガ色の不気味な月があった。


ネットで調べると、私が見上げたほぼ同時刻の十時十五分に、大阪城上空を撮影した報道カメラマンの写真があった。


そうそう、これだ!と、その写真をここに載せておきます。記事によると皆既月食だったらしいが一部始終を見てたら風邪をひきそうなので寝た。


もう一度十一時頃に見上げたら、一面がガス状の曇り空になっていた。月の位置だけぼんやりと明るかった。



2018年1月17日水曜日

人間中心主義が、人類を滅ぼす

今日の産経ニュース(ネット)に以下のような記事があった。動物たちには幸せに生きる権利がある。そのように考える私には関心ある記事なのでその一部をここに記しておきたい。


≪子供の頃、学校で動物を飼育した経験がある方もいらっしゃるだろう。しかし、今、小学校や幼稚園など教育現場で飼育される動物に「異変」が起きていることをご存じだろうか。子供だけでなく教師も、動物の飼育に関する知識や経験がないため、ウサギは過剰繁殖し、けんかや餌不足で健康状態が悪化。ニワトリも卵の放置から、ひながふ化しすぎることがあるという。この状況に立ち上がったのが、獣医師らでつくる兵庫県学校動物サポート協議会。動物の適切な飼育方法を教師だけでなく、教師を目指す学生らに伝える活動を行っている。「いきものがかり」を育成するためにも、まずは教員の養成がカギになるのかもしれない。
狭い小屋にウサギ80匹
 「ウサギは高いところまで持ち上げてはいけない」「ウサギが驚くのでむやみに騒がないように」
 関西学院大西宮聖和キャンパス(兵庫県西宮市)で昨年11月、教育学部の学生らを対象に実際のウサギを用いた動物飼育の体験授業が行われた。
 教師を務めたのは兵庫県学校動物サポート協議会所属の獣医師15人。「ウサギを触ったことがない人」との質問に手を挙げる学生もおり、教室と屋外を利用して丁寧な指導を行った。
 平成27年に発足した同会は、県内の小学校などで教師を対象に飼育方法についての研修を行っている。同会会長で神戸市獣医師会副会長も務める物延了さん(64)は、以前に訪れた小学校で、狭い飼育小屋の中でウサギが約80匹にまで過剰繁殖している現場を目撃した。≫



わたしは安曇野と伊那高原を行き来しつつ生活している。
育ったのは伊那高原である。農家の三男として生まれ、育った環境には日常的に牛や馬、山羊などがいて、親しく接しられた。また畑にも続く広い農家の庭で放し飼いにされていた鶏の群れ、大きな豚や可愛いうさぎなどの動物たちもいた。自然豊かないたるところで季節の小鳥たちの姿も目にし、犬や猫はもちろん毎日接していた。



いつだったか東大生に鶏の絵を描かせたら、四本足の鶏がいたりで、ほぼ正確に描ける者が極めて少なかったとのニュースに接して驚いたことがあった。
あれから何十年もたった現代も、ますます畑や田で育つ野菜や穀物の本物体験、卵は食べるのにそれが鶏が産んだことも知らずに人間になる人々が増加しているようだ。



今は鶏や鶉(うずら)は狭いケージに入れられ、生きる幸せを奪われ、ただ卵を産むための機械のような扱いをされている現場をよく目にして胸が痛む。


人類は宇宙へ行こうが、科学技術がどんなに進歩しようが、「いのち」の大切さを周囲の動植物から学ぶ謙虚さを忘れる時、人類に未来はない。年々増加する凶悪な残忍な犯罪、学校や会社におけるいじめなど、心病む人々の急増の問題も人類が「いのち」と向き合う誤った姿勢と無関係ではないと強く感じる。



わたしはわたしなりに、こうした問題に自分なりの考えや思いを書きほとんど売れないがAmazonのKindle(電子書籍)を出版して、心の「いのち」の教育の大切さを発信している。たとえ小さくても、何もやらないよりもいいとの思いからである。



鶏や鶉たちへの「いのち」無視の発想が人間社会に反映して儲け第一の企業や会社が起こる。ブラック企業、詐欺目的会社が起こる。今年から学校教育の授業に「道徳」が加わるらしいが、あまり期待はしていない。
日常生活において、全てのいのちへの尊厳を教える機会を数多く持つべきであろう。





















しげちぁん

慈(しげる)という名前を、女の子がつけてもらった。でもこの名前は男の子の名前の様で好きになれなかった。小学校に入学した日に、男の子の名前の子は、水色の紙に、女の子の名前の子はピンクの紙に名前が書いてあり、そこに座るようになっていた。 先生は「しげる」と水色の紙に書いていた。先生は...