プールでの泳ぎ過ぎがたたり両足のふくらはぎから尻への付け根にかけて、強度の筋肉痛が起こり、一昨日の夜と昨日の夜はよく眠れていない。
そこで藤沢周平作品の中から、まだ読んでいなかった「静かな木」と「雪明り」の二冊を選び夜の静けさの中で、読了した。
正確にはユーチューブの朗読版に耳を傾け、寝床の中で、藤沢作品の情景描写に引き付けられ、まどろむことなく最後までイヤホーンで聞いてしまった。
「静かな木」はアマゾンの内容紹介には「藩の勘定方を退いてはや五年、孫左衛門もあと二年で還暦を迎える。城下の寺にたつ欅の大木に心ひかれた彼は、見あげるたびにわが身を重ね合せ、平穏であるべき老境の日々を想い描いていた。ところが……。舞台は東北の小藩、著者が数々の物語を紡ぎだしてきた、かの海坂。澹々としたなかに気迫あり、滑稽味もある練達の筆がとらえた人の世の哀歓。藤沢周平最晩年の境地を伝える作品」とあったが、大きな欅の木に自分の人生を重ね、また夕暮れて行く情景描写はさすがであると感じた。そして主人公に孫娘が誕生し、ついそちらの方へ足の向く情景が、同じ晩年を生きるぼくの心をとらえた。
「雪明り」の方も書き出しからして、雪が降り始める描写に引き込まれた。内容紹介には「貧しくも、明日への夢を持って健気に生きる女。深い心の闇を抱えて世間の片隅にうずくまる博徒。武家社会の終焉を予感する武士の慨嘆。立場、事情はさまざまでも、己の世界を懸命に生きる人々を、善人も、悪人も優しく見つめる著者の目が全編を貫き、巧みな構成と鮮やかな結末とあいまった魅惑の作品」とあった。
この筋肉痛は七日ほどに渡って、毎日ニキロほどを泳いだ結果であり、歳も考えずにオーバーワークであったのだ。ここ何日かは梅雨が明けたとしても泳ぎはひかえようと思っている。今朝は肩のあたりもやや痛む。家に置いてあった張り薬は、あちこちに何枚も張るので、終わってしまった。まあ、今よりひどくなったら医者に行って張り薬を補充しなければなるまい。薬局でまともに買ったらかなりの額になりそうだ。
しかし、筋肉痛のおかげで、深夜に藤沢周平作品に触れることが出来、これはこれで素晴らしい体験となっている。
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