実はこの絵本を安曇野市の図書館で借り、その前に伊那市の図書館でも借りているのに気づいたのが通院の関係で伊那高原に来た今夜だった。いつも絵本なども何冊かを借りるので、読まないで返してしまう事もある。時間の関係で手ごろな絵本を先に読み、文字数の多い本は返却してしまうことが多いのだ。
気づかずに同じ本を安曇野と伊那高原で二冊借りていたのだ。これは読まなくてはなるまいと思った。この傷ついた野鳥を胸に抱く表紙の少女が俺を呼んでいると思った。
そして一気に読み、各ページの絵にも感動した。野鳥たちや野生の動物たちの命にあたたかな心を寄せる人々にはぜひお薦めしたい本である。この本と出合わずに人生を終えることは、とても、もったいない。
この本が発表されたのは世界大戦の時代である。そうした時代背景の中で、背中に、左手に障害を負った心優しき青年の暮らすのは海辺の湿地帯にある古い空き家となった灯台。全長六メートルのヨットで時々近くの村へ買い物に出る画家であり、野鳥保護にも尽力する孤独な青年の元に、ある日、一人の少女が瀕死のグースを抱いて助けを求めて来たところから、この物語は静かに始まる。
そして、この少女は私にも呼び掛けて来たのだ。安曇野にも毎年冬になるとシベリヤからの白鳥や他の渡り鳥がたくさんやって来る。来週はぜひ会いに行こうと思う。
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